牧場を知りたい方へ

子どもたちはここで1日過ごしただけで、目の輝きが違ってきます

神津邦太郎

神津牧場には年間10万人に近い来場者があります。そのなかでも、幼稚園から小・中学生までの子どもたちの割合が高いのですが、ほとんどの子どもたちが動植物や水、土などの自然物と五感をとおしてふれあった体験がないように見受けられます。

たとえば、動物にさわったことがない、木登りをしたことがない、たき火をしたことがない、川で水浴びをしたことがない、泥だんごをつくったことがない――。もしかしたら都市での暮らしが、こんな体験をする機会と場所を子どもたちから奪っているのかもしれませんが。。

昭和初期の放牧風景

むろん、牛のような大きな動物を見るのもさわるのも多くの子どもたちにとって「未体験ゾーン」でしょう。神津牧場では、そんな子どもたちをたくさんの牛が放牧されている草地に入れて思い切り遊ばせています。

最初、その大きさに圧倒されて恐怖感をもつのは当然です。だれだって何かをはじめて体験するときは恐いものです。しかし、すべてはそこからはじまるのです。一方ジャージー牛のほうはというと、彼女ら(彼ら)はひじょうにおとなしい性格の持ち主で、しかも人なつこいので、子どもたちが近寄ってさわってもまったく動じません。

神津邦太郎

こうして子どもたちは少しずつ牛に慣れ、今度は、牛は何を食べているんだろう、牛はどんな行動をしているんだろうと、目を輝かせて観察するようになっていきます。そして、あんなに恐かった牛がだんだんと恐くなくなり、それからはもう、寝転んでいる牛の背中に乗れるようになったりして、子どもたちと牛たちは友だちになっていくのです。こんな体験は、子どもたちにとって貴重な財産になっていくはずです。

さらに神津牧場では、たき火をしたり、水遊びをしたり、木登りをしたり、と自然のなかの遊びなら自由自在です。最初はおとなしかった子どもたちも、牧場のなかで1日過ごしただけで、目の輝きが変わり、すっかり「わんぱく」に変身してしまうのです。私たち神津牧場のスタッフは、そんな体験を一人でも多くの子どもたちに体験してほしいと願っています。

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